うつ病の治し方・症状・接し方が分かる!

うつ病治療の不眠症の原因と治し方

うつ病治療の不眠症の原因と治し方の解説です。

うつ病の治療の障害で大変なのが不眠症です。睡眠は、意思の力で何とかなるという性格のものではありません。意思の力で、お腹が減ったりお腹いっぱいになることがないのと基本的には同じです。

しかも、眠らなければならないと考えれば考えるほど、眠れないものです。不眠は、うつ病状態になるとほとんどの人が苦しみます。眠れない原因は不安のプログラムの機能の一部です。

体が万全でないときは外敵に襲われる可能性が高まるため、最も危ない夜に眠らないようにする機能です。

眠りなさいとしつこく言われたり、眠らなければと自分自身で切羽詰まると、その分不安が大きくなり余計に眠れなくなります。

どうして私たちはこんなに眠れないことがつらいのでしょう。眠れないことにこだわってしまうのでしょう。

これもうつ病状態の一つの側面と大きく関係しています。

うつ病の原因は疲労でありエネルギーの欠乏状態です。確かに危険から身を守らなければならないのですが、疲労を回復するには睡眠が絶対に必要です。しかも生きていくエネルギーが底をつきかけています。早く何とかしないといけない・・

つまり眠らないようにしているくせに、眠れないと疲労が解消しない(たまる)ので眠らなければと思う。しかもエネルギーが底をついているので、その状態を長く続けると死んでしまう...。

うつ病患者さんが不眠で悩むとき、それは、不眠の継続=死という図式に怯えているのです。

うつ病患者さんは、「夜は眠らなければ」「考えても仕方がない」と、眠れないことを理性的に「意味がない」とも感じています。

夜に外敵など襲ってこない現代では、眠れなくなる原因はないのです。それを理性でわかっていればいるほど、「自分がコントロールできていない」という無力感にも通じますし、意味のないことに残り少ないエネルギーを使っていることへの焦りや、自分に対する怒りに結びついています。

うつ病の不眠症はこのように、「命がかかっているので眠ってはいけないが、眠らないと死んでしまう」という自分の中の矛盾が原因です。

元気な人の「眠れない」とはちょっと違う、もっとずっと切羽詰まった、命が脅かされる深刻な悩みなのです。

うつ病の不眠症は理性(意思)では収まりません。意思で何とかしよう(「眠ろう」と努力する)とすればするほど、自信を失い消耗を早めます。

そこで、うつ病の不眠症については薬を賢く使うのが最も効果的な治し方だと考えます。

痛み止めという薬があります。痛みには、筋肉が痛む、するとその痛みに刺激され体が緊張し痛みにも敏感になる、すると余計に痛みを感じるという悪循環が働くことがあります。そんなときに痛みはじめに痛み止めを飲むと、悪循環を断ち切ることができるのです。

うつ病の不眠症に対する薬は、これと同じように、悪循環を断つ効果があるのです。

眠れない→眠ろうと緊張する→眠れない→自信の低下・イライラ→眠れないことへのこだわり→いっそう眠れない・・という悪循環を断ち切る治し方です。

不眠は、うつ病と自覚していない人でも現代人の多くが悩んでいるテーマです。うつ病で精神科を受診できない人でも、「とりあえず不眠を診てもらおう」と説得すると、受け入れてくれる場合が多いです。


 

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