うつ病の治し方・症状・接し方が分かる!

高齢者・老人のうつ病は感情表現が激しくなる場合がある

あなたの親は高齢になると、感情に弱くなります。高齢期・老年期というのは、どんどん新しい世界が拡大し、刺激があふれている若者とは異なり、さまざまなものが失われていく人生の最終段階になります。

すでに人生のやり直しはきかないために、人生についてのさまざまな思いがこころを駆け巡るのです。そのために他者の人生や苦悩に触れるようなドラマやドキュメンタリーを見たりすると、自分の過去を重ねるような思いがわきあがり、涙もろくなるのです。

現に高齢者になると、大声で泣いたりする人がいます。また逆に大声で笑う人もいます。感情のコントロールカが低下してくるのも高齢者・老人のうつ病の特性です。

周囲から見て異様に思えるほど感情が漏れ出している場合を「感情失禁」といいます。感情失禁は、ちょっとした刺激で泣きだしたり、笑いだしたりする状態で認知症の症状の一つですし、脳動脈硬化が進んでいる場合にも認めます。

失語症の高齢者・老人は、こちらの言っていることはわかるのですが、自分から声を発することができません。運動性失語というタイプの失語症で、脳の左側前方に出血や梗塞が生ずると出現します。

「今日の気分はどうですか」「お元気ですか」と言って手を握ったりすると、最初はニコニコしていても、その後になぜか涙をポロポロこぼしはじめます。

何がこころを刺激しているのかわかりません。言いたいことが言えない悲しみなのかもしれないし、感謝の気持ちなのかもしれないのですが、言葉で伝わりません。

人間は年齢が進むほど赤ん坊に戻っていき、感情も赤ちゃんのようになると言っている人もいます。動脈硬化との関係もあるのでしょうが、うつ病によって依存性や孤立感が高まるといった心理社会的な要因もあると思います。

笑いたくないのに笑ってしまうのが強制笑い、泣きたくないのに泣いてしまうのが強制泣きです。この場合には脳の病気が考えられます。

悲しい場面で涙を流したり、楽しい場面で笑うことは理解できますが、以前に比べて感情が出すぎるようになったり、些細なことで感情があふれてしまう場合には、認知症などが考えられます。

高齢者・老人の感情の出方が激しくなってきたと思ったら、うつ病も疑ってかかりつけの医師に相談してみましょう。


 

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