うつ病の原因とは何か
とは言っても、精神的な疲労がない人などいないわけですが、あまりに仕事量が多い・・大きな問題が重なった・・ということのために本来なら、その精神疲労が回復することによって問題にならなかったことが、回復せずどんどん精神疲労がたまってしまった状態・・これが、うつ病の原因です。
環境の変化に対応するための精神疲労が、一番大きいです。例としては、進学・就職・転職・引っ越し・結婚・妊娠出産など、一見良い事のように思えますが、実は良い出来事も悪い出来事も「変化」がストレスになります。
この、ポジティブなことなのに「うつ病」にかかってしまう・・これが非常に怖いところです。ご本人にとっては楽しいことであったりチャレンジングなことですので、とてもポジティブに感じられるはずなのですが、実はそこに「うつ病の原因」が隠れているのです。
よく、マリッジブルーとかマタニティブルーなんて言われるのも、「うつ病の原因」の一つになっています。
そういった「新しい環境に」適応するために、私達現代人は莫大なエネルギーを使っているのです。このエネルギー消費に対する回復が間に合わなくなると、うつ状態が発生します。そして、それが重なっていき「うつ病の原因」となります。
良い事、楽しい事だからといって、アレコレやり過ぎないで一つ一つを確実にこなし、コントロールできるスケジュールは重ねないように分散することが、うつ病の原因を取り除くことになります。
うつ病を治し、再発も予防するためには、生きる目的を見出す必要があります。
多少の失敗でも落ち込むことはなくなります。
人間関係の場合は、感情の動きが非常に激しくなることと、その関係が非常に複雑で解決が難しいことからも、うつ病の原因になりやすいのです。そして一度問題が発生すると、関係がさらにこじれ簡単に終わらないことが原因になります。
学校でのイジメや職場でのパワーハラスメント、セクシャルハラスメントも昔から問題になっています。最近はドメスティックバイオレンス(DV)も話題になっています。これらは非常にストレスが重く、あっという間に精神疲労が蓄積して、うつ病の原因になってしまいます。
そして、もう一つの「うつ病の大きな原因」の因子は、うつ社会と言われる現代の情報氾濫社会です。あらゆる業界のサービスが多種多様になり、ユーザーの選択肢が増えたのは良いのですが、その分、情報処理に必要な精神的疲労は相当なものです。
その最たる一因がインターネットです。もちろん貴重な情報も得られるわけですが、判断力や経験が乏しいと、多すぎる情報に振り回されてしまうのです。
根気良く調べて、良い情報を見つけ選べる喜びもあれば、他の多くを捨てている精神的な疲労も実は隠れていて、選択するたびに私たちの心は疲労しているのです。
うつ病の原因とは、何気なく現代生活を送っている私達自身が気付かないまま蓄積されている・・という恐ろしさを知っておかなければいけないのです。
うつ病を治し、再発も予防するためには、生きる目的を見出す必要があります。
多少の失敗でも落ち込むことはなくなります。
まず「楽しい事の連続」ですが、普通なら楽しいことなんだからストレスではないはず・・と思われがちですが、実はそうではないのです。
楽しい事というのは、新しい刺激が多く含まれます。例えば、新しい趣味にチャレンジした・・新しい恋人ができた・・とうのは、とても楽しく人生を豊かにしてくれますが、脳としては新しいことに対応するためのエネルギーを大量に消費していて、いわゆる「精神疲労」の状態になっています。
まさかと思われるかもしれませんが、これが「うつ病の原因」になっているのです。しかも、すぐそれが疲れやイライラとなって表れるのではなく、数か月後に激しい疲労感に襲われる・・というタイムラグがあるのです。
そしてそれは、加齢とともにリスクが高まっていきます。年をとると、肉体的な疲労回復が遅くなるのはご経験があると思いますが、実は精神疲労もまた同じなのです。
精神的な疲れの回復も、加齢とともに遅くなっていき、うつの波長の谷とそのタイミングが重なると、うつ状態が重くなるのです。
それから、この現代社会特有の現象も影響します。新しい文化・生活様式・道具・電化製品など、若者が適応できるものに対して適応できなくなってしまうことも多いです。
ただし、加齢も悪い面だけではなく、人生経験の中から困難を乗り切る知恵も生まれますし、精神的な成長や心の余裕も生まれます。それがない若者や子供が、行き詰って自殺・・というケースもあるからです。
うつ病を治し、再発も予防するためには、生きる目的を見出す必要があります。
多少の失敗でも落ち込むことはなくなります。
良い事・悪い事に関係なく、新しいこと・変化が大きいことが精神疲労→うつ病の原因になっているのです。以下の出来事があった後は、ご本人も家族も周囲の人達も少し注意して過ごしてください。
(1)いじめ・パワハラ・セクハラ・DV
(2)事件や事故(のニュース)・知人の死(特に自殺)やペットの死
(3)身体の病気(風邪)・けが
(4)リストラ・退職・休職・退校・卒業
(5)就職・進学・就学
(6)転職(転校)・転居、引っ越し、単身赴任、昇進
(7)破産・多額の借金借入
(8)結婚・妊娠出産・子育て
(9)離婚・失恋
(10)対人交渉の仕事
(11)昼夜が不規則な仕事
(12)評価があいまいな仕事・自主的に動ける仕事
(13)人を助ける仕事、やりがいがあり張り切っている仕事、自分が自主的に請け負った仕事
(14)介護や精神疾患の人の援助、子どもの不登校・引きこもりへの対応
(15)何かがなくなる
(16)秘密がばれて、破産や離婚になる可能性
(17)楽しいことの後
(18)インターネット仲間との交流
(19)リハビリ期の早過ぎる社会復帰
(20)精神疾患
以上、これらが単独で起こっても十分うつ病になる可能性がありますが、2つ3つ重なることも多いです。
うつ病を治し、再発も予防するためには、生きる目的を見出す必要があります。
多少の失敗でも落ち込むことはなくなります。
~人生の折り返しで心が疲れてしまうとき~
中年期(おおよそ40代〜50代)は、心や体、そして人生そのもののバランスが大きく変化する時期です。
この時期に「何もやる気が出ない」「朝がつらい」「これから先の人生に希望が持てない」と感じてしまう人は少なくありません。
それは決して弱さではなく、心のエネルギーが少しずつすり減ってきているサインです。
中年期のうつ病は、単に「性格の問題」や「ストレスの一時的な反応」ではなく、これまでの人生の積み重ね、環境の変化、そしてホルモンや脳内の変化など、複数の要因がゆっくりと絡み合いながら起こっていきます。
ここでは、中年期のうつ病の主な原因や経緯について、優しく解きほぐしていきます。
1. 「役割の変化」による喪失感と戸惑い
中年期は、人生の中でもっとも「多くの役割を背負う時期」と言われます。
仕事では中堅や管理職として責任が増し、家庭では親として子どもの進学・独立を支え、親の介護が始まる人もいます。
一方で、徐々に「自分が中心だった時期」が終わり、社会的にも家庭的にも「支える側」になることで、知らず知らずのうちに心の負担が増していくのです。
特に男性では、仕事が人生の中心になっていた人ほど、「仕事が思うように進まない」「自分の役割が小さくなった」と感じたときに、
強い虚しさや自己否定感に襲われることがあります。
女性の場合も、子育てが一段落し「母親としての役割」が薄れたあと、「自分にはもう必要とされないのでは」と感じる方もいます。
こうした**"役割の喪失"**は、静かに心の奥でうつを進行させてしまう大きな原因のひとつです。
2. 「体の変化」も心のバランスに影響
中年期になると、体にも少しずつ変化が現れます。
ホルモンの分泌量が減り、睡眠の質が下がったり、疲れが取れにくくなったりします。
女性では更年期によるホルモンバランスの変化が、イライラや不安感、気分の落ち込みとして現れることがあります。
男性でも「男性更年期(LOH症候群)」と呼ばれる状態があり、テストステロンの減少によって、意欲の低下や不安感が出ることがあります。
体の不調は心に直接影響します。
朝から疲労感が抜けない、集中できない、興味を感じない――
これらは「心の病気」というよりも、「体と心が同時に疲れている状態」なのです。無理に「気の持ちよう」と片づけず、体の変化を理解することが大切です。
3. 「人生の意味を見失う」中年の転機
40代・50代になると、「このままでいいのだろうか」と感じる瞬間が増えてきます。
若いころに思い描いた夢や目標が、現実と違って見えるようになったり、努力を続けても「成果」や「評価」に結びつかないと感じたりします。
また、周囲の人との関係も変わっていきます。
親の死、子どもの独立、友人との疎遠化など、「失う」経験が重なる時期でもあります。
それによって、「自分の人生にはもう意味がないのでは」と感じてしまう人もいます。
こうした"生きがいの揺らぎ"は、中年期特有の「心の空白」です。
それまで走り続けてきた分、立ち止まったときに深い孤独や虚しさを感じるのです。
このような感情の積み重ねが、やがてうつ病へとつながることがあります。
4. 「我慢の積み重ね」が限界を超えるとき
中年期のうつ病は、ある日突然起こるわけではありません。
多くの場合、「長年の無理」や「我慢の積み重ね」が限界を超えたときに起こります。
たとえば、
-
職場でのストレスをずっと抱えながら、休まず働いてきた
-
家庭では家族のために自分の時間を犠牲にしてきた
-
「自分だけが頑張らなければ」と思い込んできた
そんな真面目で責任感の強い人ほど、うつ病になりやすい傾向があります。
長年かけて心の中に溜まった「小さな疲れ」が、やがて大きな波となって襲ってくるのです。
気づいたときには、「もう何もしたくない」「感情が動かない」と感じることがありますが、それは心が「限界まで頑張った」というサインでもあります。
5. 「助けを求めにくい」中年期の特徴
中年期のうつ病が深刻化しやすい理由のひとつに、「助けを求めにくい」という特徴があります。
若いころのように「つらい」と口に出すことが難しくなり、家庭でも「自分が弱音を吐いたら迷惑をかける」と感じてしまうのです。
また、周囲も「しっかりしている人」と見ているため、誰にも気づかれずに心の中で孤立してしまうケースも少なくありません。
特に男性は、「自分でなんとかしなければ」と考えがちで、結果として病気を悪化させてしまうことがあります。
中年期のうつ病は、「責任感が強い人」「周囲に気を使える人」ほどなりやすい――
これは、とても皮肉な現実です。
6. 回復への第一歩は「立ち止まる勇気」
中年期のうつ病は、「もう終わり」ではなく、「これまでの生き方を見つめ直すきっかけ」になることがあります。
これまで誰かのために頑張ってきた人が、初めて「自分を大切にする」ことを学ぶ時期でもあるのです。
・小さな一歩で構いません。
・朝、好きな音楽を聴く。
・外の風を感じる。
・信頼できる人に「少し疲れた」と打ち明けてみる。
そんな小さな「立ち止まり」が、心の再生を始めるきっかけになります。
医療機関やカウンセリングを利用することも、弱さではなく「勇気の選択」です。
うつ病は、正しいサポートを受けることで回復する病気です。
7. 中年期は「再出発」のタイミングでもある
中年期は「終わり」ではなく、人生の折り返し地点です。
これまでの経験をもとに、「これからどう生きたいか」「何を大切にしたいか」を見つめ直すチャンスでもあります。
人は誰でも、心が疲れる時期があります。
その時に少し休むこと、誰かに頼ること、そして自分の心をいたわることが、次のステージへの準備になるのです。
中年期のうつ病は、「生き方を変えるサイン」とも言えます。
焦らず、ゆっくり、もう一度"自分を取り戻す時間"を過ごしてみてください。
まとめ:中年期のうつ病は「心の再構築」のプロセス
中年期のうつ病の原因は、
-
役割の変化や喪失感
-
体の変化(ホルモンバランスの乱れ)
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生きがいの揺らぎ
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長年の我慢や責任感
-
助けを求めにくい社会的立場
など、複数の要因が重なって起こります。
しかし、これは「心が壊れた」状態ではなく、これまで頑張ってきた自分が「もう少し優しく扱ってほしい」と訴えている状態でもあります。
中年期のうつ病を乗り越えた人の多くは、「自分の本当の気持ちに気づけた」「無理を手放せた」と語ります。
それは、人生の後半をより穏やかに生きるための大切なプロセスなのです。
うつ病を治し、再発も予防するためには、生きる目的を見出す必要があります。
多少の失敗でも落ち込むことはなくなります。